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「実践コンプライアンス-管理職編」(アジェンダ・サンプル)
1 管理職に求められる資質
- 世界最古の経営管理論(旧約聖書「出エジプト記」第18章)から
→業務処理能力や専門性の高さに加え人間としての徳目が備わっていなければならない
2 コンプライアンスとは何か
- 当初の定義
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事業活動において法律を遵守すること = 法令遵守
しかし、compliance のもともとの意味は、
(申し出、要求、希望などに)従うこと、承諾、応諾
現時点で、コンプライアンスを「法令(等)遵守」と解していいのか?
→ 法令ならいつも守っているという意識のもとでは、理解しがたい概念
- これからの定義
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組織体(集団)の経営(運営)上の倫理のことをいい、組織体が遵守すべき法規制や組織体内部の各種ルール・規定のみならず、企業の存在意義や社会的責任にもとづいたより広範囲な道徳水準や行動規範も含んでいる。
単に法令のみの遵守に終始することなく、社会からの要請に応えることがコンプライアンスの本旨である。
ゆえに、コンプライアンス = 「社会適合性」と訳すべき
3 経営倫理の歴史(米国)
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第二次世界大戦後の米国の経済繁栄の“陰の部分”として、「ホワイトカラーの犯罪」(企業犯罪)の概念が登場する。
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貧困な人々による強盗や殺人 → 企業経営者、専門的職業人のある種の行為
(例)取引制限(独禁法違反)、広告における虚偽表示、特許権の侵害、不当労働行為、金融操作、雑犯罪(工場煤煙、流水汚染)
大企業を中心に一般公衆に向けて害をなすような行為が目立ちはじめ、これに対応する動きが企業の内外で起こった。
4 バランスのとれた経営
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従来の企業経営の2大原理 = 「競争性原理」+「効率性原理」
新しい企業経営の4大原理 = 「競争性原理」+「効率性原理」
+「人間性原理」+「社会性原理」
「4大原理の拡大均衡」のジレンマ、板挟み
ジレンマや板挟みを感じないとすれば、4大原理のすべてか、あるいはどれかを無視しているか、軽視しているかになる。この4大原理のバランスが崩れると、企業が衰退または不祥事をもたらす。(水谷雅一神奈川大学教授「経営倫理学の実践と課題」 1995年)
5 コンプライアンスを阻害する企業風土
6 業務不全の原因分析
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オペレーション(業務執行)が適宜・適法・適切に遂行されない原因には多様なものがある。管理職はオペレーションの不全を発見した時、その原因について深く洞察しなければならない。原因に応じて、改善・是正、再発防止策の内容の範囲と深さが決まる。
7 「コインの裏返し」的対応の危険性
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問題事象の解決を短絡的に発想すると、別のリスクを引き起こす。解決策のメリ・デメを比較考量し、深く考察する。
8 「火の用心」症候群
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指示を出す時と受ける時:指示は下に行くほど具体的に、指示通り実行されているか確認する